(株) ヒグチ設計

CDスタジオ
~建物と敷地の一体感をだす~
料理スタジオの家

敷地は参宮橋から代々木公園の近く、静かな住宅地の一角にあります。建主である竹内さんは、料理の先生、それもダイエットの料理を専門に教えています。この住まいは、料理を女性雑誌のグラビアに掲載するための写真を撮影するスタジオとしての役割も持っています。まさに一石二鳥のビジネスの場でもあります。こんな商売もあるものかと、すっかり感心させられました。

 以前、私が設計した花屋さんのようにALCを使って環境に相応しいアメニティーのあるスタジオをローコストで造って欲しいとの依頼でした。
白の三角を33坪の敷地にどうフィットさせるかが、デザインのキーポイントになりました。そこで建物を内部・外部と切り離すのではなくて、敷地全体を建築空間として捉えて計画することにしました。
まず、鉄骨フレームを大梁から敷地いっぱいに張り巡らせ、斜め梁をその大梁上で受け、いわば引張材としての役割をさせました。その梁にALC板を取り付け、ALCフレームとして建物外壁のえ延長感を持たせ、建物を際立たせ、建物と敷地の一体感を強調しました。

 この手法をサイトプランニングと呼び、敷地全体の計画手法として、私はよく用いています。この道路に面したALCフレームは、単にデザイン的な意味だけでなく、内部にシャッターボックスを設けるなどの機能的な役割を果たしています。

東京都|1986
S造 3階
延床面積:35坪
ALC住宅